カリキュラム
レベル3
対象年齢 13歳〜15歳
レッスン1
ワークの説明/アイデアの発想
次のページよりこのレッスンで使うスライドが1ページずつ表示され、
下にはそのスライドを説明する文章が入ります。
【第1回 目次(全48ページ)】
プログラミング授業「LIFE+CODE(ライフプラスコード)」1回目の授業を始めます。
* … 適宜編集する部分
☆ … アドバイス、ポイント
★ … 必ず抑えるところ
※ … 参考URL
本日の授業は、こちらのスタッフがみなさんのサポートをします。よろしくお願いします。
★一人ずつ顔と名前が一致するように挨拶
なにかわからないことがあったらや聞きたいことがあったらなんでも聞いてください。
まずはこれまでのプログラミングの授業を振り返ってみましょう。
「ロボット動物園」では、一人ひとつ、どんな動物をつくりたいか考えてデザインし、電子工作の仕組みについて学び、プログラミングをして自由にうごかしました。
「震災+CODE」では、震災が発生したときに起こりうる問題に対して、どんなものがあれば解決できるかというアイデアを考え、プログラミングを行いました。
さて、3年目となる今年の授業のタイトルは…「LIFE+CODE(ライフプラスコード)」です。
どんな授業をするか想像つきますか?
CODEは去年の授業のタイトルでもありましたが、暗号や符号の意味があります。
つまり、コンピュータにわかるようにコーディングをする、プログラムのことです。
そしてLIFEは生活という意味です。
去年は震災+CODEで地震が起きてしまったとき、避難所を舞台にして、その中で実際に起こる問題をプログラミングを解決してもらいました。
今年は生活ということで、
みなさんが普段生活している中でなにか「困るなあ」とか「こうなればいい」と思うことをプログラミングで解決してたいと思います。
なにか困っていることはありませんか??またその問題をプログラミングで解決する、想像はつきますか??
(☆こどもたちに問いかけ)
これまで学んできたプログラミングの集大成として実際の生活の中ではどのように活用できるのか考えていきましょう。
まずはプログラミングで解決されている世の中のものをみて、それがどんなふうに作られているのか学んでいきます。
画面に映っているものはすべてプログラミングの力が働いているものです。
震災+CODEのときにも例としてあげました。
どんなところにプログラミングの力が使われているか覚えていますか…?
★子どもたちに問いかけ
左上:コンロ…温度センサー?火事になりそうになったら勝手に火を止める?
右上:エアコン…赤外線センサー。エアコン自体とリモコンが繋がっている。
左下:スマートフォン…静電容量センサー。指の力、動きを感知して動きます。
右下:自動ドア…距離センサー。ドアからの距離を感知してドアが開閉します。
世の中にはプログラミングを使って便利にされているものがたくさんあります。
では、これらはどんな工程を経て作られているのでしょうか?
実際に作るときの工程をみてみましょう。
何かをつくるとき、つくるものによって多少変わってきますが、大まかにこんな段階を経ています。
まず「問題発見」。
つくるときの目的を探します。コンセプトという言葉で表現されることが多いです。
つくるときの「核」になる部分です。
次にどうやって問題を解決するか考えてみます。この解決する考えのことを「アイデア」といいます。
アイデアはまずはたくさん出して、絞っていくと良いでしょう。アイデアがある程度でてきたら具体的に考えることがポイントです。
「だれ」が使うのか、「どんなとき」につかうのか…状況を具体的に想像することによっておのずと良いアイデアができてくるでしょう。
次が「プロトタイプ」。
もしかしたら初めて聞く言葉かもしれませんね。これはいきなり本物の材料で作るのではなく、まずは簡単なもので手っ取り早くアイデアをかたちにすることです。試作品といったほうがわかりやすいかもしれません。具体的に何がどんな動きをするのか本物に近いかたちでシミレーションをします。
このときに一回形にしてみることによって、「ここをこうしたほうが良いかも」「ここはかたちを変えないとダメかも」と、色々発見できます。
いきなり完成を目指すのではなく、この時点で試しにかたちにすることによって、最終的により良いものが作れるのです。
また、この「アイデア」と「プロトタイプ」は何度も行き来することでより作るものがはっきりしてくるでしょう。
「問題発見」、「アイデア」、「プロトタイプ」といった工程を通してやっと「完成」するのです。
例えば、これ。木を囲むようにして並んでいるのは、「春になると桜が咲く木をみんなで見やすいように」という目的で作られたベンチです。
普通のベンチとは形が違うと思いますが、この新しい形をしたベンチはどうやってできたのでしょうか?
☆ 各段階で写真を指差しながら説明
まずはじめに問題発見。ベンチをつくる仲間とどこにどんなベンチが欲しいか実際にベンチを置く場所を調査します。
調査の結果、アイデアとして、「桜の木を見上げることのできるベンチ」を決めました。
いきなりベンチを作るわけにもいかないので、プロトタイプをします。はじめは小さなサイズで紙で、次に実際の大きさを想像してダンボールで。
こうすることで、ベンチのかたちや構造を具体的に考えられるようになります。
こうして、少し変わった形のベンチはできたのです。
みなさんにもこのような流れで、これから作ってもらいたいと思いますが、今回の授業では「プロトタイプ」の段階までチャレンジしようと思います。
それぞれの段階でまた詳しく説明しますが、一度例として各段階でどんなことをするのか進め方を紹介します。
基本的に使用するものは去年の震災+CODEで使用したものと同じです。
1 問題発見
自分の普段の生活を観察して、問題を探してみましょう。
例として…部活が終わって家に帰り、手を洗おうとすると野球部のAくん。しかしAくんの手は部活を頑張ったために土でドロドロでした。
しかし仕方ないので土のがついた手で水道の蛇口をひねり手を洗います。案の定、蛇口が土で汚れてしまいました。
それを見てお母さんに「きれいに使ってよ」とすこし怒られてしまいました。
Aくんは思いました。蛇口を汚さず手を洗えたら良いのになあ、と。
どうかな?みんなも似たような経験ありませんか?
ここから「蛇口が汚れてしまう」という問題、「蛇口を汚さないで手を洗いたい」という、目的が見つかります。
目的が見つけられたら「問題整理シート」で状況を整理します。いつ、どこで、誰が、そしてどうなったら解決なのか…順を追って整理していきましょう。
2 アイデアの発想
次に目的を解決できそうなアイデアを考えてみましょう。できそうにないようなことでも構いませんし、プログラミングを使わないといけないというわけではありません。
例えば、
・蛇口が蛇口自身を掃除するようになる!とか
・もしかしたら自分の行動を変えれば解決できるかも…
など、あまり深く考えずに解決案を考えてみます。
思いついたらシートに記入します。
いくつか出すことができたら、より考えたい自分のアイデアを1つ選んでみましょう。
次に選んだアイデアのある状況を整理してみます。
もしアイデアがあったら…という状況を想像して、問題が発生してから解決までを順番に文章にしてみましょう。
だんだん具体的になってきました。
ここまでできたらどんなモジュールが使えそうか考えます。モジュールの特徴と、自分のアイデアに必要な機能を照らし合わせて何を使うか決めましょう。
ここまでがアイデアの発想です。
3 プロトタイプの制作
次に、今度は考えたアイデアのを解決する装置の動きを整理します。
先ほど書いた問題の起きている状況と同じように、装置はどんな動きをするのか順番に書き出してみます。
☆ 少しややこしいので丁寧に!
書き出すことができたら、その内容を次にこのような図にすることにチャレンジします。モジュールがどんな時にどんな動きをするのか場合分けして考えます。
次モジュールのブロックを組み立て、
そしていよいよプログラミング。ブロックが思い通りに動くようにコードをかいていきます。
起動してみて思うように装置ができたら完成です。
流れはわかりましたか?
例では、お店のトイレなどにある「手をかざすと自動で水がでる水道」のアイデアを実現するためにその仕組みづくりを考えていました。
実際に水道まで作るとなると、水を流せるようにしたり、器具のことを考えたり、もっともっと他に考えることがありますが、
ここまで考えることができたらアイデアの「骨格」ができたといっていいでしょう。
では!早速、みなさんも考えていきましょう
まずは身の回りにある問題を探してみます。困っていることを考えてみて、こうなったら良いなということを想像しシートに書いてみてください。
★シート①配布
次に問題を解決できそうなアイデアを考えてみます。
自分の問題がどうしたら解決するか考えてみましょう。
アイデアはかけましたか?いくつか思いついたアイデアの中から1つ選びましょう。
そして、具体的にそのアイデアについて考えていきます。
アイデアのある状況を想像して、問題の発生解決までを文章にしてみましょう。
★シート②配布
シートを埋められたら、次にどのモジュールを使うか考えていきましょう。
みなさん、どんなモジュールがどんな動きをするのか覚えていますか?
復習をしましょう。今回使うINPUTとOUTPUTは、こちらの7つです。それぞれの機能について紹介していきます。
各センサーの紹介
<INPUT>
距離センサーは物体との距離を感知する
光センサーは光の明るさを感知する
プッシュスイッチは電気のON/OFFを切り替える
各センサーの紹介
<OUTPUT>
ブザーは音が鳴る
振動モーターは振動する
LEDは光る、消える
サーボは指定した角度まで動く
モジュールのことは思い出しましたか?
このあと自分のアイデアにどのモジュールを使うか考えてもらいますが、今からやろうとしていることは去年やったこととそんなに変わりはありません。
これが去年取り組んだ 支援物資の保管 の課題。
避難所では、物資がいろんなところから届きます。それをスタッフがみんなに平等に行き渡るように仕分け、配布します。
ですが、スタッフが足りなかったり、情報の伝達がうまく行き届かなかったりして、
支援物資を保管の管理が難しいことが課題としてありました。
この問題を解決するために、考えたアイデアの例です。
人が近づいたら光る装置を考えました。
1コマ目:物資が保管されている様子
2コマ目:アイデアのまえ
3コマ目:アイデアのあと
4コマ目:スタッフの様子が元気なまま
この場合どんなモジュールが選択できそうか考えてみると…
「人が近づくと光ってスタッフに知らせてくれる装置」ですから…
☆ こどもたちに問いかけ
INPUTには物体との距離を測ることのできる距離センサー、
OUTPUTには光る感知するとLEDが、それぞれ使えそうだということが想像できませんか?
こうやってモジュールが選択できるのです。
できそうですか?
ここで選んだモジュールは後から変えられますし、まずはこれが使えるかも、というモジュールをで十分なので選んでみましょう。
選べましたか?では今日の最後にみんなのアイデアを共有してみましょう。
発表では、
・誰の
・どんな課題
・どうなったら良いのか
・そしてできたら、今の段階で大丈夫なのでINPUT、OUTPUTで何が使えそうかも教えてください。