対象年齢 10歳〜12歳
第1回のレッスンでは、ロボット動物園の誕生背景からふるさと教育、またロボットとはなにか世の中の事例を踏まえて学びます。
次のページよりこのレッスンで使うスライドが1ページずつ表示され、 下にはそのスライドを説明する文章が入ります。
【第1回 目次(全45ページ)】
こんにちは。今日から世界にひとつだけのオリジナルロボット動物を作る「ロボット動物園」の授業がはじまります。
* … 適宜編集する部分☆ … アドバイス、ポイント★ … 必ず抑えるところ※ … 参考URL
*担当スタッフの名前・写真挿入
授業を担当する、さかわ発明ラボの「*スタッフA」、「*スタッフB」、「*スタッフC」です。なにかわからないことがあったらや聞きたいことがあったらなんでも聞いてください。
まずはじめに…みんなはロボット動物園のことを知っていますか。もしかしたら1つ上のお兄さんお姉さんがやっているのを見たことがある子もいるかもしれませんね。
☆ こどもたちに問いかけてみる※ ロボット動物園プロモーション映像 https://youtu.be/mnBIK5dHHDE
これがロボット動物園です!ロボット動物園とは、木製の箱型ロボットを、
葉っぱや枝、木の実など、好きな素材で自由にデザインして、
「プログラミング」という、パソコンを使って、ロボットがどんな動きをするのか動き・光・音の指示を作り、世界に一つだけのロボットを作る授業です。もう少し詳しくロボット動物園が生まれた経緯を説明します。
見ての通り、このロボットは「木」でできていますね。これはロボット動物園が生まれた高知県佐川町に「木」という資源が豊富にあるためです。佐川町の大切な宝物である木の活用方法(使い方)のひとつとして発明されました。
この発明に関わったのは、大きく2つのグループが関わっています。1つめのグループは「自伐型林業」の地域おこし協力隊、キコリンジャーです。キコリンジャーのみなさんは、「必要な分の木だけを伐採する「自伐型林業」という無駄の出ない、効率的な方法で木の伐採を行い、佐川町の山を守り育てています。
キコリンジャーが切り出した木をどのように活用するか。その可能性を考え、新しい発明にチャレンジしているのが2つめのグループが「さかわ発明ラボ」です。
( 発明ラボの内観写真 )
発明ラボには、木を好きなかたちに切ったり、彫刻ができる「レーザーカッター」、紙以外のいろいろな素材に印刷できる「UVプリンタ」など、パソコンとつないで自由なものづくりができる機械がたくさん揃っています。
佐川町の豊かな資源のひとつである「木材」と、新しいものづくりの技術がある「さかわ発明ラボ」。この2つがかけ合わさって、「ロボット動物園」は誕生したのです。みんなの町の資源も新しいものづくりとかけ合わさることによって新しい魅力を発するかもしれませんね。
* … ここで「ふるさと教育」を追加できます。
これが今までに生まれたロボットです。今の説明の中で、はじめて聞く言葉がでてきたかもしれませんが、これからみんなで学んでいくので安心してください。楽しみながら、みんなもロボットを作っていきましょう。
これが全体のスケジュールです。* 00/00●は授業の日付を書いてください
今日は1回目。
今日の授業では、これからこの授業でどんなことを勉強していくのか、お話ししていきたいと思います。
例えば、このロボットは、なにをするロボットかわかりますか。もしかすると、お家にある子もいるかもれません。
☆ クイズ。こどもたちに問いかける。どんなロボットなのかみんなで予想してみる。
答えは…掃除機でした。このロボットは、自動で動いて、部屋を綺麗にしてくれます。壁やものにぶつかったことを認識して、向きを変えることができます。
☆ 正解発表のタイミングで映像を流す
※ https://youtu.be/Cs94plHIBXo
2問目です。これは、なにをするロボットか、わかりますか。
これは…自動車を作るロボットでした。
車について言うと、自動運転という言葉を聞いたことはありませんか。みんなが乗る車も今はお父さんやお母さんなど、人間が運転していますが、未来では人間が操作をしなくても、走ることができるようになるそうです。未来を実現するために世界ではさまざまな実験が行われています。
今、見てきたように、世の中にはひとことに「ロボット」といっても、いろいろなロボットがありました。では、ロボットとは何なのか、みんなわかりましたか?どのロボットも、自動で動いていました。つまり…
ロボットとは、「人の代わりになんらかの作業を自律的にする装置、または機械のこと」いいます。ちょっと難しい言葉ですが感覚的にはわかりそうかな…?
でもロボットもはじめから自動的に作業ができるわけではありません。どうやってロボットは自動的に作業をするようになるんでしょうか?休憩のあとはその仕組みについて学んでいきたいと思います。
1時間目の最後に、ロボットとは、「人の代わりになんらかの作業を自律的にする装置、または機械のこと」だということがわかりました。では次にロボットがどうやって動いているのか学んでいきましょう。
これがロボットの中身です。ロボットはこのようにたくさんの細かな部品がつながってできています。
もう少し拡大して1つ1つみると…色々な部品があります。 これらのパーツは「電子部品」と呼ばれるもので、この部品を組み合わせて「電子工作」をしていくことによって、いろいろなロボットを作ることができます。電子部品によって、光る、音をだす、温度をはかる…など、できることが違います。みんなのロボットの中にも電子部品が入っています。ロボットのふたをそーっと開けて、見てみましょう。☆ 2人1組でロボットを配布。蓋を開けてもらう。
赤色や黒色の線や電池、さきほど見た写真にあったような電子部品がありますね。では、それぞれの電子部品がどんな働きをしているのか、見てみましょう。壊れないように、丁寧に触ってくださいね。☆ 時間にかなり余裕があると思うのでここでは自由に、じっくりと生徒にロボットを見てもらう。壊れないように注意。
ロボットの外側の箱をとると、こんな風になっています。
聞いたことや見たことがあるパーツはありますか?☆ 実物を見ながら、1つ1つ確認
これら、ロボットの中のそれぞれのパーツはどうつながっていて、ロボットは動いているのでしょうか。
まずスイッチを入れると電池から電流が流れ始めます。すると、この青い部分、 「アルディーノ」と呼ばれる部分が動き始めます。みんながロボット動物園の後半で学ぶ「ロボットがどんな動きをするのか」という内容が、すべてここにまとめられているからです。その内容によって、他のいろいろなパーツが動き始めます。では、それぞれの電子部品が、どんな働きをするのか、もう少し詳しくみていきましょう。
1つ目は、スイッチです。これはみんな知っていますね。部屋の照明をつけたり、ゲームの電源を入れたり、スイッチは電源のオン/オフを切り替えることのできる部品です。
2つ目は、「モーター」です。これも見たことがある子がいるかもしれませんね。これは電池から流れてきたエネルギーを回転する力に変えるものです。今回みんなが作るロボットでは、ロボットが進むときに使われます。
☆ 見本のロボットで場所をモーターを指し示す
3つ目は「発光ダイオード」(LED)です。これは、光る部品です。数字の組み合わせで、いろいろな色に光らせることができます。
☆ 見本のロボットで、LEDの場所を指し示す。
☆ ロボットの「目」として紹介してがちですが、3回目の授業で「目」として扱わない子もいる可能性があるので、しない方がよい。
4つ目は「スピーカー」です。音を出す部品です。数値を指定することによって、高い音や低い音を出すことができます。
☆ 見本のロボットで、スピーカーの場所を指し示す。
5つ目は「距離センサー」です。これは、ものを認識できる部品で、ものとものとの距離を測ることができます。
☆ 見本のロボットで距離センサーの場所を指し示す。
距離センサーを使った代表的なものは、「自動ドア」です。人が近づくと自動でドアが開きますよね。
最後は、アルディーノです。これは、このロボットの中で一番大切なもの、小さなコンピューターです。アルディーノはみてわかるように部品と部品をつなげたり、しなければいけないことを記憶・判断することができるところです。ちょっと難しいかもしれないですね。人間に例えると、脳のような部分だと思ってください。人間の体は、手や足、目などいろいろなところが体の中でつながっていて、頭の中で考えたことに合わせて、体がその通りに動きますね。この部品もそのような役割があります。
他にも、ロボットが動くために、このような電子部品が使われています。
ロボットがどう作られているのかはわかったと思います。どんな仕組みで動いているのか学んでいきましょう。ロボットは、「どんなとき」に「どう動く」のか、パソコンで指令をつくり、ロボットに送り、記憶させることによってロボットは動きます。詳しくは3回目の授業で学びますが、ロボットに送るこの指令のことを「プログラミング」というのです。
それでは、今日の授業のまとめです。今日学んだことは、・ロボット動物園は佐川町の資源「木材」と新しいものづくりの場「さかわ発明ラボ」で生まれた。・ロボットとは「人の代わりになんらかの作業を自律的にする装置、または機械」のこと。・ロボットは電気をパワーに、色々な電子部品がつながることによって動く。
次回はデザインについて学びます。
これで今日のロボット動物園の授業を終わります。ありがとうございました。